大手IT企業を経営する役員は、どのくらいの報酬を得ているのか。今回は携帯大手の3社、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク(ソフトバンクグループ)が開示する情報から、その実態を見ていこう。

 ここでは1人当たりの平均役員報酬を算出する。これは、各社の有価証券報告書に記載されている役員報酬の総額を役員の人数で割った単純平均値である。社外取締役や監査役は対象外とし、退職慰労金や退任費用は額に含めない。

 3社の中で2016年度の報酬額が最も大きかったのはソフトバンク(ソフトバンクグループ)で、1人当たり8600万円だった。対象となった取締役は4人だ。

2016年度の1人当たり平均役員報酬。各社の有価証券報告書より抜粋した
2016年度の1人当たり平均役員報酬。各社の有価証券報告書より抜粋した
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 このうち連結報酬の総額が1億円を超えていたのは、孫正義代表取締役会長兼社長、宮内謙代表取締役副社長、そして退任したニケシュ・アローラ氏である。孫氏のソフトバンクグループにおける報酬は、1億3900万円である。

 宮内氏やアローラ氏は、連結対象の子会社からの報酬もある。宮内氏の報酬は6億1700万円。アローラ氏は、103億4600万円だった。

 KDDIの平均役員報酬は5818万円。報酬総額が1億円を超えたのは田中孝司代表取締役社長で、1億2300万円である。

 平均役員報酬が最も低かったのは、NTTドコモ。3163万円だった。対象となる役員の数は、最も多い16人だった。報酬が1億円を超えた役員はいない。