国内の人手不足感が高まる中、技術者の転職市場も活況を呈している。技術者にとって、転職は大きなキャリアアップの手段だ。自分に合った転職先を見つけられれば、収入だけでなく、労働条件ややりがいなど、より良い環境を得られる可能性がある。

 だが転職の経験が乏しい人にとっては、そもそも転職の具体的な方法が分からないというケースも多いだろう。人材サービスを手掛ける日経HRのキャリア事業部 メディア営業部の松本恭子マネジャーに、そんな「転職の超基本」を聞いた。

(聞き手は八木 玲子=ITpro)


転職エージェントに紹介された、または自分で探した結果、魅力的な求人が見つかったとします。その後は、どんな流れで進んでいくのでしょう。

日経HR キャリア事業部 メディア営業部 松本恭子マネジャー
日経HR キャリア事業部 メディア営業部 松本恭子マネジャー

 まずは、履歴書や職務経歴書といった書類を用意する必要があります。転職サイトに登録した情報をベースにしながら、過去の職歴や身に付けたスキル、取得した資格などを記入します。エージェントが仲介している場合は、エージェントが書類を添削します。求人に応じた書き方のテクニックや、アピールしておきたいポイントなどをアドバイスします。

 次に、面接の日程を調整します。自分で応募したり、その企業の人事担当者からのスカウトを受けたりしたときは、その企業と直接やり取りして日程を決めます。

 転職エージェントを介すときは、エージェントが日程調整を担当します。模擬面接をしたり、過去の経験を基にその企業の面接の傾向をアドバイスしたり、といったサポートをしてくれるエージェントもいます。

 面接の回数は企業によって異なりますが、中途採用の場合は2~3回が一般的です。無事に通過すれば、内定が出ます。

内定が出れば、転職活動もめでたく終わりですね。

 一安心なのは確かですが、内定後も気は抜けません。

 まずは、内定先との条件の交渉です。応募段階から基本的な条件は提示されていますが、より良い条件を引き出せる場合があります。例えば年収が自分の希望と乖離がある場合、交渉次第では上積みが可能です。本人が交渉しにくい内容でも、転職エージェントが仲介している場合は本人の代わりに交渉してくれます。

 次に、現在の勤務先に退職を申し出ます。最近は人手不足に悩む企業が多くて、強い引き留めに遭うケースが増えています。自分の意志をどう理解してもらうか、準備が必要です。転職エージェントが相談に乗ることもあります。