国内の人手不足感が高まる中、技術者の転職市場も活況を呈している。技術者にとって、転職は大きなキャリアアップの手段だ。自分に合った転職先を見つけられれば、収入だけでなく、労働条件ややりがいなど、より良い環境を得られる可能性がある。

 しかし意欲はあっても、そもそも転職の具体的な方法が分からない人も多いだろう。人材サービスを手掛ける日経HRのキャリア事業部 メディア営業部の松本恭子マネジャーに、技術者における「転職の超基本」を聞いた。

(聞き手は八木 玲子=ITpro)


転職サイトに登録すると「仕事中もスカウトの電話が掛かってくるのでは」「在籍中の企業に、自分が転職を考えていることがばれてしまうのでは」といった不安を覚える人もいます。

 そうした不安の声も耳にしますが、実際は心配されているようなことはありません。

 一般的な転職サイトでは、登録したからといってエージェントなどから電話が掛かってくるようなことはありません。多くのサイトでは、登録した本人の名前、電話番号、メールアドレスなどの個人情報には、人材を探している企業もエージェントもアクセスできません。経歴などのプロフィールを基に目的に合う人材を探し、条件に合う人には、転職サイト内のメッセージ機能などを使って連絡します。帰宅後や通勤中など自分の都合の良い時間に、メッセージを確認できます。

「日経TECHキャリア」では、スカウトが届くとトップページに通知される
「日経TECHキャリア」では、スカウトが届くとトップページに通知される
(出所:日経HR)
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 その後、本人に興味があれば、自分の意思で企業やエージェントに個人情報を開示して、次のステップに進むのが一般的です。

 今所属している企業の人にばれてしまう、ということも、基本的には起こりません。例えば「日経TECHキャリア」の場合、登録者のプロフィールを見られるのは、日経TECHキャリアに求人情報を提供した人材紹介企業に所属する転職エージェントだけです。

 求人を出している一般企業の人事担当者が登録者の情報を見てスカウトメッセージを送れる転職サイトもありますが、そうしたサイトは、特定企業からの情報閲覧をブロックする機能を用意していることがほとんどです。現在の勤務先や取引先などをブロック対象に指定しておけば、自分の情報が見られることはありません。

 また、登録時に個人名が必要ないケースもあります。日経TECHキャリアがそうです。メールアドレスなど連絡先は登録していただく必要はありますが、氏名の情報は不要です。