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 部下に嫌われる原因の一つ目は、公平感の欠如である。上司はすべての部下を公平に扱っているつもりでも、部下には上司のちょっとした言動がえこひいきや差別のように映ることが少なくない。

 「上司が声を掛ける部下は、何か問題を抱えている人と、特に信頼している人に偏りやすい。満遍なく声を掛けないと、不公平と感じる部下が必ず出てくる」。こう指摘するのは、さくら情報システムの小澤 拡ひろむさん(開発本部 開発第2部 産業ソリューション第1グループ リーダー)である。そこで小澤さんは「平等な気配りや声掛けを日ごろから意識している」と話す。

 注意すべきはコミュニケーションの取り方だけではない。公平感の欠如は、部下への仕事の割り振りでも生じる。

 パッケージソフトの導入を手掛けるユー・エス・イーの仲野内 和彦さん(技術営業本部 オラクル・ピープルソフトビジネス事業部 リーダー)は、仕事ができる部下にも、そうでない部下にも、平等に同じだけの仕事量を割り振るように意識している。かつては、できる人に仕事を集中させたこともあった。だが「仕事が多すぎると不満を漏らすようになった上に体調を崩し、チームとして仕事が停滞した。一方で、仕事を与えなかった、できない人も期待されていないと感じ、やる気を失った」(仲野内さん)。結局、仲野内さんは両者から嫌われてしまった。

 そこで仲野内さんは、同じだけの仕事量を与えるように改善した。すると、できる人もできない人も不公平感が解消されたという。