ビジネスでもプライベートでも必携のツールとなりつつあるiPhone。この連載では、長く使っている人でも気付いていない、iPhone標準の機能や、標準アプリの知られざる便利機能を紹介する。

 iPhoneが登場した当時からある基本的なアプリも、バージョンアップを重ねて使いやすくなったり、驚きの進化を遂げたりしている。iPhoneをもっと活用しよう。

実用性十分なアプリになった「マップ」

(撮影:伊藤 朝輝、以下同じ)
(撮影:伊藤 朝輝、以下同じ)
[画像のクリックで拡大表示]

 iPhoneに搭載されている標準の「マップ」アプリが、以前は「Googleマップ」だったことをご存じだろうか?

 米アップルはiPhoneの基本ソフトである「iOS 6」をリリースしたタイミングで、マップアプリをGoogleマップから現在の自社製アプリに変更した。iPhone 5が最新機種だった2012年のことだ。

 リリース直後のマップアプリは、何もない場所に存在しない駅名が表示されるなど、肝心の地図情報が不正確という致命的な欠点があった。程なくして米グーグルがリリースしたiOSアプリ版のGoogleマップを使うことにした人も、多いのではないだろうか。

 筆者はライターという仕事柄、iOSのバージョンアップや新機能は毎回チェックしているが、リリースから既に5年を経過した標準マップアプリには致命的な欠陥はほぼ見られなくなった。

 以前は足りないと言われていた、ショップや施設の情報も詳しく表示されるようになり、実用的だ。また、ほかの標準アプリとの連携もしやすく、iPhoneで使うなら標準マップアプリのほうが便利な場合も増えている。

 筆者が標準マップアプリを頻繁に使うようになったのは、今から1年前、「iOS 10」がリリースされたタイミング。交通機関の乗り換えに対応したルート検索機能を便利に感じたからだ。

 交通機関の乗り換え案内は専用アプリが充実しており、提案されるルートや情報量も多い。しかしドア・ツー・ドアのルート検索はマップアプリの方が都合が良いことがある。

 例えば、今いる場所から最寄り駅までの徒歩での移動時間を含めて交通機関を提案してくれたり、駅の出口を指定してその先の徒歩経路を示したりしてくれるので、移動全てにかかる時間を把握しやすいのだ。

 以下、マップアプリの便利な機能をGoogleマップとも比較しつつ、紹介しよう。

以前は目印になるショップや施設の情報が少ないと言われていたiPhone標準の「マップ」アプリも、必要な情報が整理した状態で表示される
以前は目印になるショップや施設の情報が少ないと言われていたiPhone標準の「マップ」アプリも、必要な情報が整理した状態で表示される
[画像のクリックで拡大表示]