日経FinTechは2017年10月17日、読者限定の「Exclusive seminar」を開催した。今回のテーマは、スタートアップの新たな資金調達方法として脚光を浴びるICO(Initial Coin Offering)。シリコンバレーを拠点に活動するベンターキャピタル(VC)、DCMベンチャーズでインベストメント・ヴァイス・プレジデントを務める原 健一郎氏が、「注目を集めるICO、仕組みと影響を徹底解説」と題し、ICOの仕組みやチェックポイント、課題について解説した。

 スタートアップやベンチャー企業の新たな資金調達の方法として注目を集めるICOだが、投資家側のリスクを指摘する声も多い。適切なICOに投資できれば問題ないが、換金性の乏しいトークンを発行するICOも存在する。ICOの仕組みやトークンの技術的背景、さらには、トークンを使って展開するビジネスモデルが複雑なこともあり、「どのICOが健全かつ将来性があり、どのICOが『詐欺まがい』なのか」を区別するのは容易ではない。

DCMベンチャーズの原 健一郎インベストメント・ヴァイス・プレジデント
DCMベンチャーズの原 健一郎インベストメント・ヴァイス・プレジデント
(撮影:加藤 康)
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 セミナーの講師を務めたDCMベンチャーズの原 健一郎インベストメント・ヴァイス・プレジデントは、「ICOをきちんと理解するには、まずブロックチェーンを理解するこが大切」と指摘する。その上で、ICOを理解する際に頭に留めておくべき4つのポイントを示した。

 まず、「ブロックチェーンとは、アプリケーションを持つプロトコルである」という点。つまり、ブロックチェーンをベースにしたトークンには、それぞれに用途があるわけだ。

 次に、「Ethereum(イーサリアム)」の登場でICO市場が爆発したという点を提示。

 さらに、ICOにおいては、ブロックチェーンを基盤とする分散型アプリケーションで活用するコインの発行が中心になっている点も重要だという。

 最後に、ICOが既存ビジネスを破壊する可能性を秘めているという点を認識しておくべきだという。