新しいデジタルトークンを売り出す形で出資を募るICO(InitialCoin Offering)とも呼ばれるトークンセールを巡り、様々な動きが相次いでいる。

 米SEC(証券取引委員会)は2017年7月25日、100億円以上相当の資金を集め一部を流出させた事業投資ファンド「The DAO」で調達用に使われた「デジタルトークン」は、有価証券であるとの認識を公表。証券を発行または売却するに当たっては登録が欠かせず、未登録で参加した場合には証券法違反の責任が問われると警告した。

有価証券とデジタルトークンの主な違い
有価証券とデジタルトークンの主な違い
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 SECが見解を公にした背景には、トークンセールを実施する企業が次々と登場していることが挙げられる。米Coinscheduleによると2017年は既に120件以上が実施され、総額15億ドル(1640億円)以上がトークンの購入者から調達された。年間9600万ドル(実施は46件)だった2016年を、大きく上回っている。

 こうした潮流を受けて日本でも、トークンの設計から売り出し、その後の管理を全面的に支援するサービスが登場した。2017年8月3日にテックビューロが発表した「COMSA」である。「企業が既存のビジネスや法制度と不整合なくICOを実施し、トークンを使った新しいビジネスを開始できるようにする。全ての課題を解消するものだ」。テックビューロCEO(最高経営責任者)の朝山貴生氏は、COMSAの狙いをこう語る。

 並行してICO協議会を立ち上げ、COMSAでトークンセールを希望する企業の選定やCOMSAの運営方針に関する指南を担わせる。三菱UFJ信託銀行や東海東京証券、さくらインターネット、お金のデザインなど21社のメンバーが名を連ねる。