新しいデジタルトークンを販売して資金を調達するICO(Initial Coin Offering)が、世界を動揺させている。既に、ブロックチェーン分野のスタートアップ企業による資金調達手段としては、ベンチャーキャピタル(VC)を上回る勢いを示しており、約2時間半で1億5300万ドル(約170億円)を集める例も出ている。世界のすう勢を受け、日本でも、ICOを実施する企業が出始めた。

 過熱するICOに、世界各国の金融規制当局も神経を尖らせている。米SEC(証券取引委員会)は2017年7月25日、一部のICOが有価証券であるとの認識を公表。証券法違反の可能性に言及した。米国に続き、シンガポールをはじめとする各国も次々と方針を表明し始めている。中国や韓国のように、ICOの全面禁止を打ち出す国も存在する。

 新たなイノベーションとして脚光を浴びる一方、課題を指摘されることも多いICO。動向解説と識者の見解を基に、最新のICOを俯瞰する。