木村情報技術は2017年10月13日まで東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2017」に、IBM Watson 日本語版を活用した問合せシステム「AI-Q(アイキュー)」を出展した。2017年1月にリリースしたクラウドサービスで、ヘルプデスクに導入すれば、パソコンの操作やネットワークの設定など社員からの問い合わせに対し、Watosonが自動応答する仕組みを構築できる。

 コールセンター業務でのオペレーターの負荷軽減、IT部門での社内からの問合せ対応業務の効率化を目指し、「導入を検討している企業が増えている」(木村情報技術)という。提供開始から9カ月がたつが、「これまでに約600社から問い合わせがあり、商談が継続している案件も数多くある。すでに導入が決定している企業も10社ある」という。

 ブースでは、「AI-Q」によるWatsonの回答を実際に体験できるデモ機が用意されている。例えば社内システムの問い合わせ対応に利用する場合、まずは「パソコン関連」や「総務・人事関連」というように社内からの問合せの多いカテゴリーを分け、それぞれのカテゴリで「良くある質問」と回答を登録していく。

 カテゴリーは4つまで登録でき、「質問・回答」は1カテゴリーにつき最大1万5000件まで登録可能だ。「質問・回答が多すぎると、Watsonが確認しなければならない回答も多くなるのでパフォーマンスが落ちることもある。1カテゴリーにつき質問・回答で500セット程度がよい」という。

Watsonによる「自動問い合わせ対応」を体験できるデモ機。「パソコン関連」のカテゴリーから質問ボックスに「音が出ない」と入力すると、その質問に該当する回答がいくつか表示される
Watsonによる「自動問い合わせ対応」を体験できるデモ機。「パソコン関連」のカテゴリーから質問ボックスに「音が出ない」と入力すると、その質問に該当する回答がいくつか表示される
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 また、「音が出ない」という質問に対し、「本体から音が出ない」のか「接続したスピーカーから出ない」のかなどを選んでいくような構成にして、質問者が選択式で正確にたどり着くような仕組みを構築することも可能だ。

 導入費用は、質問と回答の作成のアドバイスなどのコンサルティングサービスを含んで、一式200万円(税別)から。別途かかる運用費用が月額24万円(税別)で、運用費の中には500人分のIDが含まれている。IDの追加は、100IDにつき3000円から。パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレット端末などのマルチデバイスに対応し、モバイル環境でも「AI-Q」を利用できる。