NTTテクノクロスは、ブロックチェーンを事業に活用したい企業に向けた導入支援サービスを2017年内に提供する。2017年10月11日から13日まで東京ビッグサイトで開催している「ITpro EXPO 2017」で、提供するサービスのコンセプトや開発中の運用向けツールの機能などを披露した。

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 サービスの提供内容は、ブロックチェーンで動作するアプリケーション開発の受託、社内でプライベート型のブロックチェーンを構築する場合の導入支援、ブロックチェーンそのものの改造の受託など。研修プログラムやトレーニングのサービスも提供する。

 例えば開発では「スマートコントラクト」と呼ぶブロックチェーン上で動作する取引や業務の自動処理プログラムの開発を請け負う。現在、自社で「Ethereum」と「HyperLedger Fabric」の2つを評価し、運用やスマートコントラクトの開発などの技術蓄積を進めている。

 ブロックチェーンの改造は、Ethereumなどの既存方式を導入する場合に、企業の使い方に合わせてカスタマイズすることを想定している。例えば、企業内で使う場合は、正しい情報を記録したブロックの追加を認める合意形成アルゴリズムに、より演算負荷が軽い方式を導入できる。ブロック上でのデータ保持方式も、企業での使い方に合わせて変える需要があるという。

 NTTテクノクロスは、ブロックチェーンの運用に向けたツールを開発中で、本サービスに合わせて製品化する予定だ。ブースでは、ブロックチェーン上での取引履歴などを管理できる運用監視機能と、ブロックチェーン全体の動きを分かりやすく可視化するシステム統計機能という、実装予定の2つの機能を説明した。

 取引履歴などのシステムログを管理する運用監視機能は、リスト形式でログを示し、特定条件で取引や業務ログをフィルタリングして管理できるもの。興味深いのは、ブロックチェーンの動きを可視化するシステム統計機能だ。ノードの稼働状況などをグラフで示すほか、数珠つなぎになったブロックの生成状況を各ブロックの情報と併せてビジュアルに見せる機能を実装する予定だ。ブロックの生成がまだ合意に達せず分岐した場合はその枝分かれの状態も表現するという。ブロックチェーンに馴染んでいない運用担当者も、ブロックチェーンが動作する様をビジュアルに把握できるよう工夫を凝らしている。