コンピューター総合研究所は2017年10月11日から13日まで、東京ビッグサイトで開催している「ITpro EXPO 2017」で、畜産農家向けの牛の行動監視システム「MOH-CAL」(もーかる)を展示している。

 MOH-CALは、行動データを収集・分析し、牛の転倒や発情、出産など各種兆候を早期発見するシステムだ。まず、牛舎の上部に取り付けたカメラで、座っている、水を飲んでいるなどの牛の行動データがクラウド上のデータサーバーに送られる。さらにコンピューター総合研究所の分析サーバーで、蓄積した過去のデータと現在のデータを比較。「前日と比べ牛の行動に大きな違いがあった」と判断すると、アラームのメールが送信される仕組みだ。

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 ぜんちく那須山麓牧場でNTT東日本と実証実験を行う。「畜産農家は牛を監視カメラで24時間監視しなければならない時期もあり、負担が大きい」(コンピューター総合研究所)。MOH-CALは「何時間も座り込んでいる」「餌を食べていない」「水を飲みすぎているなど異常の発見を支援する。

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 特徴は「牛にセンサーなどを取り付けずに状態監視できること」(コンピューター総合研究所)であるという。センサーなどの機器を取り付けられるとストレスで死んでしまう牛がいるほどだという。MOH-CALは、カメラを使うことにより牛に負担をかけずに行動の異変がないか監視できる。今後、人工知能(AI)を使ったより精度の高い分析や、牛の個体差への対応も視野に入れる。

 MOH-CALは2017年度中に提供を開始する予定。