2017年10月12日、東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2017」と同時開催の「Japan VR Summit 3」で、GREEの代表取締役会長兼社長 田中 良和氏が「PC、モバイルの次に来るのはVR、ARの時代だ」と挨拶。続けて「パラダイムシフトは必ず来る」との見解を示した。

「VR、ARの時代は必ず来る」と語るGREEの代表取締役会長兼社長 田中 良和氏
「VR、ARの時代は必ず来る」と語るGREEの代表取締役会長兼社長 田中 良和氏
(撮影:下玉利 尚明、以下同じ)

 「Japan VR Summit 3」は、次世代のプラットフォームとして本格的な普及が期待されるVRに関連し、革新的な技術やサービスの開発を目指す企業やスタ―トアップ、研究者などが集まり、新たな市場の共創を目指すカンファレンス。今回で3回目の開催となる。

 田中氏は、続けて、これまでの新技術の変遷について触れながら、「注目され、過剰な盛り上がりを見せた後に、いったんは『意外に普及しないな』となる。その時期を経てから爆発的に広がるのが、新技術だ」との考えを示した。その上でVRやARは、「今まさにこれから立ち上がろうとしている」と述べ、「爆発的な普及の直前」のタイミングにあることを強調した。

 また、田中氏は、VRやARの技術を搭載したさまざまなハードウエアが登場している一方で、「大きすぎるとか解像度が低いといった批判を耳にすることもある」と指摘。「10年前にiPhoneが発売されたときも『バッテリーが持たない』『ガラケーと2台持ちしないと使えない』など否定的な見方をする人も少なくなかった」と説明し、「時間と技術が解決する」と語った。

 さらに、「今、重要なことは『先を見据える』こと。VR、ARのハードウェアが進化すると何が起きるのかを考えるべき」と述べた。今回の「Japan VR Summit 3」では、VR、ARをビジネスにどう活用していくのか、経営的側面からAR、VRの可能性を探るセッションも用意されている。「トヨタ自動車、本田技術研究所など日本を代表する製造業の登壇もあり内容もさらに充実した」(田中氏)。

 最後に田中氏はサーフィンを例に、「波が来たときに沖にいない奴は負ける。いつ波が来るかと浜辺にいるようでは波に乗れない。波が来ることを信じで沖で待つ。今がそのとき」と述べて降壇した。

全6セッション、ショーケースも開催

 田中氏の挨拶に続いては、「グローバルVR/AR 12兆円市場へのロードマップ」と題したパネルディスカッションのほか、中国のVR市場の動向を解説した「巨大VR市場 ― 中国の現状」「スタ―トアップとVR/AR/MR」など全6セッションが開かれた。

各セッションではVR、ARに関する最新技術やサービスの動向が紹介された
各セッションではVR、ARに関する最新技術やサービスの動向が紹介された
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 また、ITpro EXPOの展示会場内に設けられた「JVRS Showcase」では、ソフトバンクや富士通、日本マイクロソフト、クリーク・アンド・リバー社、シータ、南国ソフト、ハシラス、FOVE、GREE VR Studio、GREEが出展。各社の最新技術やサービス、活用事例などを紹介している。

展示会場内の「JVRS Showcase」
展示会場内の「JVRS Showcase」
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