東京ビッグサイトの「ITpro EXPO 2017」会場で、東芝情報システムがAR(拡張現実)技術をふんだんに盛り込んだマニュアル/ナビゲーション作成システムのプレビューを実施している。修理対象の機器や、ナビゲーションする経路付近の様子などをタブレット画面に映すと、その映像に重ねる形でガイダンスが表示される(写真1)。タブレットを動かすなどして画面上で対象物が動くと、ガイダンスもそれに追随して動く。従来のようにマニュアルのページを繰るよりも正確で迅速な作業が可能になる。

写真1●継電器の基盤交換作業のデモ。作業前に、静電気防止板に触れるよう、ガイダンスが表示されている
写真1●継電器の基盤交換作業のデモ。作業前に、静電気防止板に触れるよう、ガイダンスが表示されている
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 マニュアルを作成するツール「ARコンテンツジェネレーター(仮称)」も開発中だ。マニュアルを作成する際には、まず対象物の写真を撮影し、それに専用のツールでガイダンスを追加する。ARに使う写真の要件として、対象物の形がゆがんでいないことがあるため、AR用の写真撮影を支援するツールも用意している。「問題がある場合は、撮影時に警告とアドバイスを表示するのですぐ撮り直せる」という。

 ガイダンス作成ツールは、PowerPointのような感覚で使えるという。ナビゲーションを作成する際には、「写真マーカー作成ツール」により空間の任意の点にタグ付けしてガイダンスを作成することもできる(写真2)。3Dマッピングには、GoogleのTangoを利用している。2017年12月には、「ARコンテンツジェネレーター」を含む一連のシステムの提供を開始する予定だ。

写真2●ARナビゲーションのデモ。目印となる対象物や空間の任意の点にタグ付けできる
写真2●ARナビゲーションのデモ。目印となる対象物や空間の任意の点にタグ付けできる
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