NTTドコモが人工知能(AI)や統計解析を利用した社内のデータ分析で、次々と成果を上げている。長年蓄積してきた、携帯電話やスマートフォンの解約予兆モデルによる回帰分析などを様々なサービスの仮説検証に適用し始めた。なかでもドコモが力を入れるコンテンツサービス「dマーケット」のなかの複数の事業で、データ分析による効果が目覚ましい。

 仕掛け人は、生粋のマーケッターである女性担当部長。マーケティングの外部講師を務めるほどの専門家だ。関西支社勤務だった彼女は、その高い分析力と周囲を巻き込む人柄を見込まれ、2009年に東京本社の情報システム部内にあるデータ分析専門組織「情報戦略担当」に異動。マーケッターでありながら、情報戦略担当の担当部長に抜擢された。今では営業本部マーケティング部のマーケティング戦略担当部長も兼務している。

 彼女が関西時代から地道に続けてきた「分析事例発表会」は、ここ数年で大きく花開いた。2017年8月で通算30回目を迎えた分析事例発表会は、今やWeb会議システムも併用することで、参加者が数百人規模に広がっている。全国のデータ分析成功例を共有し、いいものはどんどん横展開していく。