2017年10月17日のWindows 10大型アップデート「Windows 10 Fall Creators Update」で、正式版になるLinux互換環境「Windows Subsystem for Linux(WSL)」。従来のCreators Update版ではできなかった、リムーバブルメディアや共有フォルダーへのアクセスが可能になる。

 WSLはWindowsをLinux開発環境として使いやすくするのが目的の機能だ。Windowsが管理するストレージやネットワークにLinux側から簡単にアクセスできる仕組みを用意している。前回までで、Windows ServerでもWSLが利用できるようになったこと、互換性を高めたことを紹介した。

 このほかFall Creators Updateで、WSL内からUSBメモリーを利用したり、Windowsの共有フォルダーにアクセスしたりといった、よく使われる機能を追加した。

USBメモリーをWSL内のLinuxに割り当て

 WSLからWindows側のファイルにアクセスするには、WSL内のLinuxにある「/mnt」ディレクトリーを利用する。Windowsのファイルシステムは、標準ではWSLの/mnt以下に、Windowsのドライブを特定のディレクトリーに自動で割り当てていく。Cドライブであれば「/mnt/c」ディレクトリー、Dドライブであれば「/mnt/d」ディレクトリーになる。

WSLのUbuntuでWindowsのDドライブを閲覧
WSLのUbuntuでWindowsのDドライブを閲覧
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 ただしUSBメモリーのような取り外し可能なメディア(リムーバブルメディア)は、コマンドを使って手動で割り当てる必要がある。

 例えばWindows側でDドライブとして認識されているUSBメモリーにアクセスするには、次のコマンドを実行する。

$ sudo mkdir /mnt/d
$ sudo mount -t drvfs D: /mnt/d