「A社に訪問するならこの提案書を使ってください。成功率は6割です」。人工知能(AI)が社内のナレッジから最適な一手を提示するようになってきた。さらに集中力を高めたいのならIoT(インターネット・オブ・シングズ)のメガネがおススメだ。目や頭の動きを計測して、現在の集中状態を教えてくれる。力強い味方とともに働き方改革を始めよう。

即効薬(12) AIの支援で効率アップ

 仕事のスピードアップに心強い味方が現れた。AIを搭載した業務特化型のSaaSだ。マツリカの「Senses」は営業担当者向け。「A社に初めての訪問」などの予定をグーグルカレンダーに入力すると、クラウド側のAIが訪問先企業の規模や現在の営業ステップを解析し、他の担当者がためたナレッジから類似する情報を提示する。ナレッジには提案書やメール文面が含まれ、担当者はコピーして提案の中身について考える時間を増やせる。

図 マツリカの営業支援クラウドサービス「Senses(左)とビズリーチの採用管理クラウドサービス「HRMOS」の画面(右)
図 マツリカの営業支援クラウドサービス「Senses(左)とビズリーチの採用管理クラウドサービス「HRMOS」の画面(右)
AIが仕事を助ける(画面提供:マツリカ(左)、ビズリーチ(右))
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 電話での営業活動をAIが助けるのがWEICの「SALES BASE NIKITA」だ。利用者が商材を登録すると、過去の成功パターンを学習したAIが400万社から見込み客を抽出する。

 ビズリーチの「HRMOS採用管理」は、AIが大量の応募書類を解析し、自社のスキルや社風にどの程度マッチしているかを4段階で判定する。即戦力が求められる今、採用担当者の目利き力向上に貢献しそうだ。

即効薬(13) 仕事の手順をすぐに覚える

 仕事の手順がしっかりと頭に入っていないと集中力は高まらず、効率は上がらない。人不足のなか、分かりやすいマニュアルが生産性を左右しそうだ。こうしたなか、スタディストはスマホだけで動画を含めたオンラインマニュアルを作れるクラウドサービス「Teachme Biz」を提供している。仕事の流れに沿ってスマホで現場や操作画面を撮影し、コメントを入れれば完成だ。

 多店舗展開し、人材流動性の高い小売り業や飲食業などから引き合いが多く、既に1600社が導入する。スタディストが推奨するのが若手にマニュアル作らせること。新たに配属された人が悩むポイントを的確に押さえたマニュアルができるという。

 小売り業や飲食業と並んで人不足に悩むのが建設業である。「ITの活用が進んでいない職場だ」と、タブレット端末を使った電子黒板「蔵衛門Pad」を提供するルクレは指摘する。