コミュニケーションの速度を高め、密度を濃くしたいなら、使い慣れた道具がおすすめだ。コンシューマ向けのチャットサービスやクラウドストレージサービスで企業利用向けが出てきている。

即効薬(7) 使い慣れた画面でビジネスチャット

 すぐ本題に入れ、既読か未読かを把握でき、話のテンポが速い――。メールと比べてこうした利点のあるチャットを仕事場でも生かす機運が高まっている。高機能な「Slack」が先行するが、より簡単に使えるビジネスチャットツールも出てきている。

 「ビジネス版LINE」「ビジネス版Facebook」といえばそれだけで理解できてしまうかもしれない。一般消費者向けに浸透したLINEやFacebookにディレクトリーサーバーとの連携機能やオフィスソフトの閲覧機能といった企業向け機能を追加したツールである。利用者の研修コストなどがかからないのが最大のメリットだ。

図 ビジネスチャットの画面
図 ビジネスチャットの画面
慣れた操作で社内コミュニケーションを円滑に(画面提供:ワークスモバイルジャパン(左)、米フェイスブック(右))
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 「ビジネス版LINE」との位置付けであるワークスモバイルジャパンの「LINE WORKS」は一般向けLINEと連携できるのが特徴だ。社外の人とやり取りする必要が生じた場合に、一般向けLINEのアカウントをLINE WORKS上の友だちに加えられる。

 「ビジネス版Facebook」をうたうのは米フェイスブックの「Workplace by Facebook」だ。「メール文化」の弊害で同社内は一時期、コミュニケーション不全に陥った。その改善のために開発したものだ。

 ベースにしたのは、組織やプロジェクトごとに作れ、投稿を誰が見たかが分かり、コメントも付けられる「Facebookグループ」機能。企業向けにファイル共有機能を強化し、PCにオフィスソフトがなくても投稿されたオフィスファイルを閲覧できる。

 管理者向けダッシュボードも機能を拡充。社員別投稿数のほか、投稿が多くの人に読まれる「インフルエンサー」が誰なのかも一目で分かるという。