毎年恒例のiPhone商戦が始まった。iPhoneは、スマートフォンの国内出荷台数シェアで5割強を占める人気端末。携帯電話大手3社はiPhone新版への乗り換えを促すべく、新たな施策を相次ぎ打ち出してきた。今年の特徴は、大手3社の完全な横並びが崩れたことだ。これまでは出し抜けを狙っても追随されて終わることが多かったが、大容量プランや分離プランへの対応で差が出てきた。

 さらに注目は、各社の新施策が大手3社間の競争だけでなく、成長著しい格安スマホへの対抗策を兼ねていることだ。取り替えプログラムや分離プランへのシフトで格安スマホが打撃を受けるのは必至。総務省が狙った中古端末市場の活性化も肩透かしに終わりそうな気配である。大手3社の戦略を分析するとともに今後の展開を読み解く。