Q.12月は忘年会シーズンで、飲み会が頻繁にあります。普段、会社支給のノートPCを持ち歩く部下も多く、もし誰かが紛失したらと思うと不安です。一般に、どんなルールで運用し、仮に紛失したときに上司はどんな指示を出すべきなのでしょうか。

 アルコールが入っているときの紛失が多いので、本来は飲み会の席にPCを持ち歩かないのが最善策です。紛失するのは正社員とは限りません。プロジェクトに参加する協力会社の請負や派遣の社員も紛失するケースがあります。このため持ち歩かないというルールをどこまで強制できるかも、運用時のポイントとなります。

 最近は個人情報漏洩の懸念から、作業はクラウド上で行い、データをPC内に保存しない運用を義務付ける会社も増えてきました。それでもなぜか紛失したPCには重要なデータが残っている例があります。

 会社のPCを紛失した場合、部門責任者やプロジェクトリーダー、場合によっては役員を含めて謝罪訪問の旅に出掛けることになります。「飲むなら持つな!」を心掛けてください。顧客先での打ち合わせ後の飲み会で仕方がなかったという話をよく聞きますが、世間にも顧客にも言い訳できません。

紛失したら上司・担当部署にすぐ連絡

 最も問題なのは「紛失したPCがすぐに出てくるはず」「拾った人から連絡が来るかも」と考え、すぐに会社や上司に連絡しないケースです。こうした行動は取り返しがつかない事態を招きかねません。会社には黙っておきたい、出てきたら何事もなかったことになるという考えは危険です。当然、時間が経てば経つほど隠そうとしていたと判断されます。紛失したらすぐに上司や担当部署に連絡するようメンバーに徹底することが大事です。

 連絡を受けた上司は、適切な指示を出す必要があります。会社によって専門部署が異なりますが、通常は人事や総務、IT部門、個人情報の管理部門などが紛失時の窓口になります。上司の判断が間違っていると、取り返しがつかないことになりかねません。上司の資質に左右されないように、会社でも紛失時の対応ルールを作り、それを社員研修などで伝えておくべきです。もちろん全社的に基本ルールが根付くよう、現場のリーダーはメンバーに対して周知徹底する必要があります。