20年ぶり、40年ぶりに基幹系システムの全面刷新に挑む企業が相次いでいる。ハードの交換やソフトのつぎはぎといった小手先の延命策ではなく、業務やシステムを根本から見直す動きだ。IoT(インターネット・オブ・シングズ)や人工知能(AI)などの先進的なITを取り込んで競争力を高めるためには、企業活動の中核をなす顧客情報や売り上げデータがぎっしりと詰まった基幹系を生まれ変わらせる必要がある。ただし全面刷新の道のりは険しく、失敗例は少なくない。ズバリ、成功のカギはスリム化にある。要件を絞り、旧システムの無駄をそぎ落として、新システムをシンプルに保つことだ。先進企業の創意工夫を基に、昔も今も、そしてこれからも変わらない刷新の原則を示す。
連載
ITシステムのダイエット術
目次
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COBOLやVB6との決別、初手は不良資産の一掃
楽天カード、TOTO、かんぽ生命保険
COBOLアプリケーションをJavaで書き直すなど、新たな開発言語で再構築する「リライト」は、業務仕様を基本的に変えない。リライトの際は、既存資産から不要資産をいかに取り除くかが、スリム化のポイントとなる。
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日清や日立造船の決意、会議体で廃止業務を決定
パッケージ活用、自社開発、旧資産の活用など基幹系刷新の手法は様々。だが、不要な業務やソフトを削ってシステムをスリムにするという目的は共通する。先行して挑んだ7社の「ダイエット術」を探ると、成功に向けた勘所が見えてきた。
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COBOL撤廃の伊藤忠と20年ぶりに全面刷新する東ガス、共通の課題
東京ガスは1998年に刷新したCIS(顧客情報システム)を20年ぶりに全面刷新する。狙いはデジタルビジネスの推進だ。
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2度延期したみずほ銀行のシステム統合、「9合目」にたどり着けた理由
総費用は東京スカイツリー7基分──。みずほ銀行の勘定系再構築プロジェクトのゴールがようやく見えてきた。経営統合から15年、「また失敗する」など批判的な見方があるなか「9合目」までたどり着いたのには理由があった。
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