企業情報システムのユーザーにとって、パブリッククラウドで最も中核になるサービスの一つが仮想マシンだ。実務でクラウドを使っていないITエンジニアであっても、仮想マシンの使い方は知っておきたい。
米MicrosoftのパブリッククラウドAzureの仮想マシンを使うための基本知識を、今回から3回にわたって解説する。具体的には、(1)仮想マシンの作成、(2)オプションの選択、(3)テンプレートイメージの作成、(4)テンプレートイメージからの仮想マシン作成である。いずれも、Azureで仮想マシンを使ううえで必須の知識だ。
なお作業は全て、Azureの新しいサービス基盤ARM(Azure Resource Manager)と新しい管理ポータル(Azureポータル)を使うものとする。
(1)仮想マシンの作成
Azureで仮想マシンを作成する方法は、主に三つある。一つめは、Webベースの管理ツールAzureポータルを使う方法。二つめは、コマンドラインツールのPowerShellモジュールまたはクロスプラットフォームCLI(XCLI)を使う方法。三つめは、JSON(JavaScript Object Notation)形式の構成ファイルを作成したうえでAzureポータルまたはコマンドラインツールで作成する方法だ。
構成の自動化や高度な構成を行うには、二つめあるいは三つめの方法を用いる。ここでは、最も簡単で一般的な、一つめのAzureポータルを使った手順を紹介する。
Azureポータルで仮想マシンを作成するには、以下の手順に従う。
1-1. メニュー選択とOSの指定
Azureポータルの[+新規]-[Compute]を選択し、OSを指定する
1-2. 基本情報の設定
仮想マシン名、管理者アカウント、仮想マシンのリソースグループなどを指定する。画面に表示される「お金を節約」は、手持ちのライセンスをAzureに持ち込むことを意味する。
1-3. サイズ指定
仮想マシンのCPUコア数やメモリー容量などを指定するために「サイズ」を指定する。デフォルトで、選択したOSに最適なサイズが自動指定されることになっている。しかし実際には、Windowsの場合は最適なものより少し小さな(低速な)サイズが指定されるようだ。
[全て表示]を選択すると、指定したリージョンで利用可能な全てのサイズが表示される。