MicrosoftのクラウドサービスAzureの仮想マシンは原則として、「仮想ネットワーク」に接続する必要がある(クラシックポータルでは仮想ネットワークに接続しない仮想マシンも作れるが、クラシックポータルの使用自体を推奨しない)。
仮想ネットワークは、ユーザーごとの論理的に独立したネットワークである。仮想マシンの配置場所であり接続先(L3スイッチ)になるのに加えて、仮想マシンのTCP/IPパラメーター指定(DHCPオプションの指定)にも使う。さらに、VPNゲートウェイの配置場所にもなる。
仮想マシンと仮想ネットワークの割り当ては、仮想マシンの作成時にしか行えず、あとで変更できない。そのため、仮想マシン作成前または仮想マシン作成時に仮想ネットワークを作る必要がある(仮想マシン作成メニューの中で仮想ネットワークを作成する)。
仮想ネットワークが提供するTCP/IPパラメーターは以下の通りだ。
Azure仮想マシンは通常のDHCPクライアントと異なり、TCP/IPパラメーターを変更したら再起動が必要だ。
VPNゲートウェイはAzureポータルから簡単に作成できる。VPNゲートウェイの課金を停止するには削除するしかない。ただし新規作成に30分以上掛かるので、あえて削除せず連続して使うことが多い。
そのほかの基本サービス
仮想マシン、ストレージ、仮想ネットワークのほかにも、Azureの業務システムでの利用で基本となるサービスがある。以下に四つを抜粋して紹介する。
この記事はIaaS(特に仮想マシン)を中心を解説するが、各種のミドルウエアを含むPaaSを使うことで構築・運用のコストが大きく下がるうえに、拡張性が向上する。IaaSを使うのは、最初の一歩と捉えてほしい。
次ページ以降でAzure必須知識として「SLAと可用性セット」「管理ツールとデプロイメントモデル」を解説したので読んでほしい。
次回から仮想マシンを構成する。その際に必要なストレージと仮想ネットワークの知識についても改めて解説する。