今回はAzureのIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)のうち、ストレージサービスの「Azure Storage」について解説する。Azure Storageは、次の六つのサービスで構成される。

Azure Storageの六つのサービス
Azure Storageの六つのサービス
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 これらのうち仮想マシンのディスクとして使えるのは、ページBLOBだけである。ページBLOBは「Disk Storage」「汎用BLOB」などと表記されることもある。Microsoftの公式ドキュメントやAzureポータル内でも表記が揺れているので注意してほしい。

 ストレージアカウントは、リージョン内の同一ストレージクラスター内で三つのレプリカを持つ「ローカル冗長(LRS)」、別リージョンにさらにセカンダリーの三つのレプリカ(合計六つのレプリカ)を持つ「地理冗長(GRS)」、地理冗長の仕組みでセカンダリーから読み込める「読み取りアクセス地理冗長」などを選択できる。ほかにも「ゾーン冗長」が存在するが、ページBLOBでは利用できないので、ここでは説明を割愛する。

ストレージの冗長化レベル
ストレージの冗長化レベル
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 ページBLOBを地理冗長にしていれば、仮想マシンの外付けディスクのバックアップをリージョン横断で自動的に取得できる。ここで、Azureのリージョン障害が起きたときに仮想マシンを復旧するのであれば、仮想マシンを一つずつ作成し直してディスクをアタッチするよりも、「Azure Site Recovery(ASR)」という障害復旧サービスを利用したほうが手間が小さく、迅速に実行できる。

 ストレージを利用するには、「ストレージアカウント」が必要である。ストレージのインスタンスは、ストレージアカウントにひも付く。