政府は行政だけでなく司法のデジタル化も進めようとしている。現状では海外に比べて後れを取っており、対策が急務だ。ビジネス環境の国際評価が下がり続ける事態を立て直す必要がある。国の競争力の引き上げに向け、官民の実行力が問われている。
分厚い書面を何部も用意して、あちこちに印鑑を押し、遠方とはファクスでやり取り――。裁判に関わる司法手続きは行政以上に紙の聖域だ。ここにもデジタル改革の機運が高まりつつある。
政府は2017年6月に閣議決定した「未来投資戦略2017」で、司法のIT化を検討するスケジュールを定めた。「利用者目線で裁判に関わる手続きなどのITを推進する方策について速やかに検討し、本年度中に結論を得る」としている。
未来投資戦略は安倍晋三首相が議長となって、日本の成長戦略をまとめたものだ。具体的なスケジュールを掲げている以上、司法のIT化に向けて具体的に進む可能性が高い。
「法廷の様子を動画で記録すべき」
司法のIT化は以前から進んでいたが、部分的な取り組みにとどまっている。