ユーザーインタフェース(UI)はゲームで最も重要な要素の一つ。2017年8月30日から開催されたゲーム開発者向けの会議「CEDEC 2017」で、ものつくり大学非常勤講師の的場やすし氏は、UIに「砂」の利用を提案していた。

 的場氏は同大の菅谷諭教授とともに、「流動床インターフェース:液体のようにふるまう砂を用いたインタラクションシステム」を開発。CEDEC 2017会場でデモを展示している(写真1)。

写真1●流動床インターフェースを開発した的場やすし氏
写真1●流動床インターフェースを開発した的場やすし氏
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 このシステムは砂の下から空気を送ることで、砂を液体のように流動化するもの。手やボールなどを難なく砂の中に入れることができる(写真2)。砂の表面には気泡が現れ、液体のようであるが、感触は液体とはやや異なる。ぬるぬるとした新しい感覚だ。デモで利用している砂は「ムライト砂」という種類とのこと。

写真2●デモの様子。砂の気泡が見える
写真2●デモの様子。砂の気泡が見える
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 的場氏によると、「砂の流動床は焼却炉などで既に使われている技術だが、UIに応用したのがおそらくこれが始めて」。2016年の4月に発案し、12月に完成させた。砂にプロジェクターで映像を投影することもできる。

 すでに、国内外から問い合わせが来ているとのことだ。