地震などの大規模災害が起こると、大きな振動によるPCの落下などのダメージで、内蔵するストレージに保存されている重要なファイルが失われる可能性がある。こうしたケースを防ぐには、きちんとバックアップの態勢を整えておくことが重要だ。今回はそうしたバックアップについて考えてみよう。

外付けHDDやNASなどのローカルメディアとクラウドを組み合わせて、確実なバックアップ態勢を整える
外付けHDDやNASなどのローカルメディアとクラウドを組み合わせて、確実なバックアップ態勢を整える
(撮影:竹内 亮介、以下同じ)
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ローカルドライブはPCと一緒に壊れる可能性がある

 PC上のファイルをバックアップするなら、まずは外付けHDDの導入を考えよう。PC上のファイルを、定期的に外付けHDDにコピーしておき、万が一PCが壊れてもその外付けHDDからファイルを復活できるようにしておく。バックアップ手段としては、もっとも手軽で簡単な方法だ。

 LANに接続し、複数のPCからアクセスしてファイルをやり取りできる「NAS」を使う選択肢もある。例えばSOHOや小規模オフィスなどで、数人の従業員が取り扱う重要データをまとめて管理したい場合は、外付けHDDよりもNASの方が向いている。

Synologyの「DiskStation DS216j」は、3.5インチHDDを2台組み込んで利用できるNASだ。実勢価格は2万4000円前後
Synologyの「DiskStation DS216j」は、3.5インチHDDを2台組み込んで利用できるNASだ。実勢価格は2万4000円前後
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 ただし外付けHDDやNASは、原則的にPCの近くに設置することになる。災害が起きたときは、外付けHDDやNASも一緒にダメージを受ける可能性が高いので、完全な対策とは言いがたい。

クラウドにバックアップを取る

 そこでオススメしたいのが、クラウドストレージを利用するバックアップ方法である。インターネットを経由してアクセスするクラウドストレージに、PCのファイルをアップロードしてバックアップする方法だ。

 インターネットを経由して接続するクラウドストレージの実体となるストレージは、PCとは別の場所に存在する。また耐震対策などをしたデータセンターに置かれるのが基本だ。万が一PCを使っている地域で地震や火災など甚大な被害をもたらす災害が起きても、クラウドストレージには影響はないため、アップロードしたファイルは安全だと考えてよい。

クラウドストレージサービスでは、Webブラウザーなどを通じて接続し、ファイルをアップロードする
クラウドストレージサービスでは、Webブラウザーなどを通じて接続し、ファイルをアップロードする
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