前回紹介したUPS(無停電電源装置)は、バッテリーを搭載しないデスクトップPCを停電時でも安全にシャットダウンするための「フェイルセーフ」としての役割を担う。UPSで長時間PCを使うことは、内蔵バッテリーの容量から言っても想定されていない。
しかし緊急の作業などで、停電などの状況に陥ったとしても何らかの手段でPCを使わなければならないことはある。今回は、そうした状況のための備えについて考えてみよう。
ノートPCがベストだがモバイルバッテリーで急場をしのぐ手も
停電時でも作業が発生する可能性が高いオフィスに最適なのは、液晶ディスプレイ、キーボードやタッチパッドを備え、バッテリーで駆動するノートPCだろう。
特に最近のモバイルノートPCは、バッテリー駆動時間が10時間前後という製品も増えている。一般的なA4サイズのビジネスノートPCでも、バッテリーのみで5~6時間は利用できるものがある。
ただし最新のモバイルノートPCは、実勢価格が15~20万円前後と、PCとしてはかなり高い。バッテリー駆動時間にあまりこだわらず安いビジネスノートPCを選ぶとしても、今使っている古いPCを全て最新のノートPCに置き換えるには、かなりのコストがかかる。
オフィスで利用しているのが古いノートPCなら、まずはノートPCの充電にも対応する「モバイルバッテリー」の導入を考えてみたい。
モバイルバッテリーというと、「スマートフォンやタブレットしか充電できないのでは」と考えるユーザーがいるかもしれないが、実はノートPCを充電できる大きめのタイプもあるのだ。