エンジニアのなかには、休日に趣味の開発を楽しむ人もいるだろう。そうしたモノづくりが好きな人を「Maker」と呼ぶ。その祭典「Maker Faire Tokyo 2017」が2017年8月5日~6日の2日間、東京ビッグサイトで開催された。主催したオライリー・ジャパンによれば、出展者は2016年の約400組から約450組に増えたという。

「Maker Faire Tokyo 2017」が2017年8月5日~6日に開催された
「Maker Faire Tokyo 2017」が2017年8月5日~6日に開催された
[画像のクリックで拡大表示]

 Maker Faireの出展物は様々だ。企業が自社製品のアピールをしたり、試験的な製品を先行販売したりするし、企業内の有志が社のバックアップを受けて出展していたりもする。出展物の完成度や実用品としての意義、便利さだけが評価されるわけではないので、「なぜそんなことにそんな大がかりな仕組みを?」と思うような展示が注目を浴びることも多い。この記事では、個人や有志のサークルでの出展の中から、筆者が面白いと感じたいくつかの作品を紹介する。

全自動メガネ洗浄ロボ

 メガネをセットすると、およそ2分半で洗剤の吹きかけと水洗い、ブロワーによる乾燥まで自動でしてくれる。その名も「洗っとく子ちゃん」。現役エンジニアの坂井義治氏が2年の時間と10回以上の試作を経て作り上げた。マイコンボード「Arduino」からの信号でサーボモーターを動かし、ロボットアームを制御する。アームは電磁石で洗剤や水のホース、ブロワーを脱着できるので、一つのアームで全ての作業をこなせる。自作のポンプも備えており、洗剤や水も自動で送り出す。

全自動メガネ洗浄ロボ「洗っとく子ちゃん」
全自動メガネ洗浄ロボ「洗っとく子ちゃん」
[画像のクリックで拡大表示]
洗剤を吹きかけているところ
洗剤を吹きかけているところ
[画像のクリックで拡大表示]

THE BUZZKIDS

 リコーダーの演奏に合わせて直径およそ30センチメートルの「モンスター」が回転して踊る。曲はMIDIで作成し、その信号に基づいてモンスターに内蔵したモーターが動く。信号はリコーダーの演奏にも使われる。1本を1音程に割り当てたリコーダーが24本あり、それぞれがコンプレッサーからの空気で鳴る。空気を送るタイミングは電磁弁が制御し、開閉時の「カチカチ」音がリズムを刻む。出展した「MASHED POTATOES」は元グラフィックデザイナー2人によるクリエイティブユニット。「かわいいだけじゃない、シュールなデザインもポイント」(MASHED POTATOES)。

THE BUZZKIDS
THE BUZZKIDS
[画像のクリックで拡大表示]
リコーダーが楽曲を演奏する
リコーダーが楽曲を演奏する
[画像のクリックで拡大表示]