みなさん、モバイルしていますか?

 モバイル機器を選択するポイントはいろいろありますが、一番重要な点は「小型」であることだと思います。どれだけ優秀な機器でも、持ち歩けないような大きさや重量では、日常的に使うことができません。筆者はまだノートPCがない時代に、大型のワープロをスクーターに乗せて持ち運んでいたことがありますが、全くもって実用的ではありませんでした。

 とはいえ小型であることは、パソコンに限っては必ずしも市場ニーズとは合っていないようです。これまで、IBMのウルトラマンPC、ソニーのVAIO U、ライオス・システムのチャンドラなど多様な小型ノートPCが発売されましたが、ニッチな存在で終わってしまったように思います。噂レベルではありますが、マイクロソフトもSurface miniという小型モデルが準備していたという話がありますが、残念ながらリリースされませんでした。

クラウドファンディングで実現した新製品

 市場的に難しいと思われた小型PCですが、今年(2017年)話題の新製品が現れました。米国のクラウドファンディングサイト「Indiegogo」で、中国GPD Technologyの「GPD Pocket」という機種が発表されたのです。

 GPD Pocketには、OSにWindows 10を採用したモデルとUbuntuを採用したモデルがあります。スペックは、解像度1920×1200、タッチパネル対応の7インチディスプレイと小型キーボードを搭載。サイズは180×106×18.5mm、重量は480gしかありません。メモリーは8GBで128GBの内部ストレージを搭載、CPUはIntel Atomx7-Z8750 1.6GHzを採用しています。バッテリーは7000mAhで、12時間駆動します。

 筆者はIndiegogoのWebサイトで写真を見て、“小型感”満載のデザインがいたく気に入りました。今までの小型PCの良いところを全て詰め込んだように感じて、クライドファンデングが発表された当日に申し込みました。2017年2月のことで、オーダーIDは500番台でした。

 正直なところ、GPD Pocketはそこそこのスペックで、性能面はあまり期待できないかなと予想しました。しかし日常的にCPUにAtom x7-Z8700を搭載しているSurface 3を使っているので、それほど心配はしませんでした(下の写真はSurface Proとの比較です)

Surface Proとの大きさ比較
Surface Proとの大きさ比較
(撮影:伊藤 浩一、以下同じ)
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