今年も暑い日が続いている。「夏バテ気味だ」と感じる読者は多いかもしれない。なかには猛暑で体力を奪われ、食欲が落ちている人もいるだろう。そこでこの夏休みスペシャルでは、IT企業でエンジニア向けの保健指導を務める金橋治美氏(保健師)に、夏バテを解消する夏休みの過ごし方を聞いた。

今年も暑い日が続いている
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脂の少ない肉や植物性タンパク質でスタミナを付ける

 金橋氏によると、健康な人なら「香辛料」を摂れば、食欲をアップできるという。だが「夏バテ気味で食欲不振になると、逆に香辛料で胃腸の働きを抑えてしまう」と金橋氏は指摘する。冷たいものも同様だ。夏バテ気味と思ったら、香辛料を控えた温かいもの、消化のよいものがベストのようだ。

 夏場の食欲不振を解消するには、胃腸を整えるのが鉄則である。そのうえで、スタミナを付けるタンパク質の摂取を心掛けたいと金橋氏は話す。「胃腸が弱っているときは魚をはじめ、豚のヒレや鳥のササミといった、脂の少ない肉や魚を使った料理を摂るようにしたい」(金橋氏)。

 その点、植物性のタンパク質は有効だという。「納豆や豆腐は食欲不振に効果的。ネバネバ系の野菜には、胃腸の働きを助けるムチンが含まれている。オクラやツルムラサキ、モロヘイヤを使った付け合わせも夏バテに効果が大きい」(金橋氏)。

 最近、胃腸を整える方法として断食が注目されている。だが、金橋氏によると断食は、もともと体力のある人を対象にしており、夏バテ気味の場合は向かず、むしろ危険だ。