標的型攻撃やランサムウエアなど、企業や組織に深刻な被害をもたらすサイバー攻撃が相次いでいる。事前の対策、被害を受けたときの対応には、高度なスキルを持った情報セキュリティ人材が不可欠だ。そのことが、今回実施した「ITpro資格実態調査」の結果からも明らかになった。調査対象の45資格中、「これから取得したい資格」の回答として最も多かったのは、2017年4月に登録が始まったばかりのセキュリティ資格「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」だった。

 登録セキスペを含め、セキュリティ分野には複数の資格がある。どの資格が人気なのか。ここではセキュリティ分野に絞って、調査の結果を見ていこう。

登録セキスペが保有者数1位

 セキュリティ分野の資格で、資格保有者数が最も多かったのは、前述した登録セキスペ。今回の調査の回答者417人のうち、21.3%に当たる89人が保有する資格として回答した(図1)。続く2位は、回答数73人の「情報セキュリティマネジメント」である。これら上位二つの資格はいずれも、2016年以降に始まった新しい資格である。

図1 セキュリティ分野で保有する資格
図1 セキュリティ分野で保有する資格
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 登録セキスペは、情報処理技術者試験の一つだった「情報セキュリティスペシャリスト試験」を基に、登録制度を持つ名称独占の資格として始まったものだ。第1回の試験が2017年4月に実施された。経過措置としてとして、情報セキュリティスペシャリスト試験および、「テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験」の合格者も登録セキスペとして登録できる。第1回試験に先立ち、2017年4月の初回登録で4172人が登録した。