イオングループは2017年6月、総合スーパー「イオン」や都市型小型店「まいばすけっと」など主要業態の本部・店舗で稼働するPC約4万8000台について、現行のWindows 7搭載PCからWindows 10搭載PCへ置き換えを始めた。

イオングループの都市型小型店「まいばすけっと」
イオングループの都市型小型店「まいばすけっと」
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 7月中旬時点で約1200台のWindows 10搭載機が稼働。2018年2月までに合計約1万3000台、2019年末までに全ての置き換えを終える計画だ。

 グループのIT子会社であるイオンアイビスの石井和人ITインフラ本部インフラ運用管理部部長は「(2014年4月の)Windows XPのサポート終了時は取り掛かるのが遅く苦労した。当時の反省を踏まえて早く動いた」と話す。

 イオンアイビスはグループ各社の事務所や店舗のPCを運用する。事務処理用のPCだけではなく、店頭で発注端末として使うタブレットPC約8000台も含まれる。

 XPのサポート終了時は、サポート切れが1年前に差し迫った2013年4月ごろから置き換えを始めた。台数が多く、店舗の古いPCを回収して新しいPCを送る通常の方法では追い付かなくなった。Windows 7をインストールしたHDDを店舗に送って差し換える方法を取らざるを得ず、慣れない現場は混乱した。

約300種類のアプリを検証、多くは10上のIE11で動作

 そこで今回はサポート切れの約4年前となる2016年3月にWindows 7のサポート切れ対策の検討を始めた。イオンはInternet Explorer(IE)で動作するWebアプリや、クライアント・サーバー方式で動作するWindowsアプリを約300種類稼働させている。Webアプリについては、2016年夏ごろまでにIE11で動作するよう改修を済ませた。

 同年秋ごろから各アプリを所管する部署にWindows 10の検証用PCを貸し出して、既存のPCと並べて動作を検証した。アプリの多くはWindows 10上のIE11でもそのまま動作する。一部で表示が崩れるケースがあったが、軽微な改修で済んだ。