大手ITサービス企業の成長性(売上高伸び率)も比較した(表1)。2016年度に二桁の伸び率を記録したのは2社のみ。2017年度予想でも二桁の伸び率を見込むのは2社と、大手ITサービス企業の成長は小休止の様子。技術者不足が深刻化する各社は案件数を増やしにくく、売上高を大きく伸ばせずにいる。

表1●ITサービス企業の成長性ランキング
表1●ITサービス企業の成長性ランキング
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 18.0%の伸び率で1位になった、りらいあコミュニケーションズはBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業が好調だった。トランス・コスモスもBPO事業が好調で4位にランクイン。伸び率は7.9%だった。ユーザー企業が攻めのITに注力するため、従来の業務システムの運用管理などを外部委託する機運が高まっている。

 2位にランクインしたのは2016年度に売上高が500億円を超えたソフトバンク・テクノロジーだ。ただし、増収に貢献したのはソフトバンクグループ向けのシステム開発や大型の機器販売。急成長するグループに引っ張られて売上高を伸ばした格好だ。

 ネットワンシステムズは伸び率8.3%で3位にランクインした。公共機関向けのネットワーク関連事業が増収に貢献した。なかでも自治体向けのセキュリティ対策案件が増えたことが主な増収要因という。標的型攻撃による日本年金機構の個人情報漏洩事案を受けたガイドラインの策定が追い風となった。