「Evernote」は、老舗のデジタルノートサービスだ。基本的な機能は、第1回で紹介したOneNoteと同様である。ただし、両者は基本の性格が異なる。
きちんと階層に従ってノートを整理するのが基本のOneNoteに対して、Evernoteは「整理を考えず、あらゆることをメモする」というのが基本概念。
会議の議事録や打ち合わせ時のメモはもちろん、ふと思いついたアイデアから個人的なメモまで、何でも記録しておけるのがEvernoteの使い方だ。今回は、そのEvernoteを使って会議の記録を取る方法を紹介しよう。
EvernoteとOneNoteの違いはここだ
OneNoteは、「ノートブック」を作成し、その中に「セクション」という区切りを作り、セクションの中に、実際にメモを記録する部分「ページ」を作るという3階層構造になっている。会議の議事録やプロジェクトの進行、検討課題などを、整理しながら記録にまとめるときに非常に役立つ。
メールソフトで例えれば、Outlookだろう。Outlookを使っている人は、毎日大量に受信するメールを「取引先」「部内」「重要」「メルマガ」など、複数のフォルダーに分けて整理しているはずだ。
これに対して、Evernoteは細かく分類することを基本としていない。ノートを整理せず、思いついたことや記録したいことをまとめてEvernoteに放り込み、後で検索して探し出すという使い方を前提としている。
メールソフトで例えると、こちらはGmailに似ていると言えるだろう。Gmailは、フォルダーという概念がなく、強力な検索機能で後からキーワード検索で探すことを前提にしている。Evernoteも同様に検索機能が強力だ。また、Gmailに「ラベル」という付箋紙のようなキーワードを付けておく機能があるのと同じように、Evernoteもノートに「タグ」と呼ばれるキーワードを複数付けておくことで、後から探しやすくできる。
社内でOffice 365を導入済みでOneNoteがすでにパソコンにインストールされている場合や、会議資料のExcelシートをそのまま議事録に取り込みたい、きちんとしたフォーマットで議事録を残す必要があるといったユーザーには、OneNoteをお薦めする。
一方、個人的なメモや備忘録から、アイデア、仕事上の会議メモの記録まで、1つのサービスで済ませたいという人には、Evernoteが向いている。また、整理することが苦手で、とにかく何でもメモしておき、後から必要なときに探すという使い方をしたい人にも最適だ。