CDN(Content Delivery Network)サービスでは、ユーザーからのアクセスをどうやって最寄りのサーバーに振り分けているのだろうか。実は、DNS▼サーバーの名前解決を利用している。DNSサーバーは、問い合わせがあったドメイン名に対して、WebサーバーのIPアドレスを返す。この仕組みを使っているのだ。

 例えば、ユーザーがWebブラウザーでドメイン名を含むURLを指定して、CDNを利用したWebサーバーにアクセスしようとしたとする。パソコンのTCP/IP処理プログラム(スタック)によって、名前解決を要求するパケットが送信され、契約するインターネット接続事業者(ISP)のDNSサーバーに要求パケットが届く。

 ISPのDNSサーバーは通常、反復的問い合わせ▼を行い、指定したURLのIPアドレスを回答できる権威DNSサーバーに名前解決の要求パケットを送る。権威DNSサーバーでは、要求パケットの送信元IPアドレス、つまりISPのDNSサーバーのIPアドレスを参照して最寄りの配信サーバーを判断し、そのIPアドレスを応答することになっている。

DNSサーバーを使って最寄りのサーバーを割り当てる
DNSサーバーを使って最寄りのサーバーを割り当てる
Webサーバーの権威DNSサーバーが、問い合わせしてきた送信元のIPアドレスやASなどから割り当て先を指定するテーブル情報を基に、最寄りの配信サーバーのIPアドレスを応答する。
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▼DNS
Domain Name Systemの略。
▼ISP
Internet Service Providerの略。
▼反復的問い合わせ
ドメイン名からIPアドレスを調べる際に、トップレベルドメインから順に権威DNSサーバーへ問い合わせてIPアドレスを調べる手順を指す。