高速アクセスと並ぶCDN(Content Delivery Network)サービスの大きなメリットが、ピーク対策だ。Webサーバーへのアクセス集中を緩和できる。ユーザーのアクセスを複数の配信サーバーに分散するので、利用企業のWebサーバーの負荷を下げられる。「LINE広告などを使ってアクセスを増やすキャンペーンを実施する企業が一時的に利用するケースがある」(鍋島氏)という。

 このピーク対策が、Webサーバーのサイバー攻撃対策にもつながる。DDoS▼攻撃のようなWebサーバーへのアクセス量を増やして、サービス停止を狙った攻撃の防御に有効なのだ。

短期のアクセス増加に対応し、DDoS攻撃のようなサイバー攻撃にも対策になる
短期のアクセス増加に対応し、DDoS攻撃のようなサイバー攻撃にも対策になる
企業が実施するキャンペーンなど、短期間にアクセス数が急増するケースに対応できる。この仕組みが、DDoS攻撃のような大量アクセスのサイバー攻撃の対策にもつながる。
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定額料金不要のサービス登場

 DDoS攻撃対策など、CDNサービスをファイル配信以外の目的で導入するケースが増えている。しかしCDNサービスは、料金が高い、導入しにくいといったイメージが強い。ところが、ここ2、3年で状況は大きく変化した。

 まず、年額10万円から数十万円の固定料金で利用できるサービスが増えた。アクセリアやJストリームなどが提供する。レンタルサーバーのオプションとしてCDNサービスが提供される場合があり、料金はあらかじめ決まった容量まで月額数千円、一部では無料で使えるサービスもある。

 さらに、Amazon CloudFrontや米クラウドフレアのサービスなどは、定額料金が必要ない、完全従量課金型のサービスを提供している▼。通信量が少なかったり、キャンペーンで一時的にアクセス数が増えたりするWebサーバーでも利用しやすい。