「Office 365を活用するにはマニュアルを配るだけでなく、活用法を丁寧に教える取り組みが必要だ」。オリックスの飯島正純業務改革室長はこう話す。

 Office 365を導入してから1年半以上が経過しているオリックスグループ。導入後に業務改革室が取り組んできた操作研修や社内向けの情報発信の効果もあり、メリットを実感する従業員は徐々に増えてきた。

 グループ全体で約1万5000人がメールや社内の情報共有ポータルなどの用途で使っている。2015年11月にグループ会社のオリックス生命保険とオリックス・システムの合計3000人で先行して使い始め、2016年6月にはオリックスが導入した。

導入時期2015年11月から順次導入
利用しているサービスと用途・Exchange Online:メール、スケジュール
・SharePoint Online:社内ポータル
・Skype for Business:IM、在席確認
・OneDrive for Business:個人のファイル保管
・Office Online:オフィスソフト
利用人数約1万5000人
活用促進に向けた主な取り組み・従業員向けにアンケート
・基本的な操作研修
・情報共有ポータルで使い方を紹介
・改善の要望が多い機能について対策
オリックスのOffice 365の導入時期と用途

 導入してから約半年後の2017年1月から、業務改革推進室の主導でOffice 365の操作研修を実施している。既に合計で約10回、130人に実施した。「実は基本的な操作を知らないという従業員がいることが研修で分かった」(業務改革室の熊坂美葉 業務改革第二チーム課長代理)。

 例えば、予定表におけるスケジュールの表示形式の変更方法を知らない従業員が多かったという。予定表の機能では、一日のスケジュールを表示する開始時間を変更できる。当初の設定では午前0時から表示できるようになっているが、始業時間に近い午前9時からの表示に設定できる。ところがその機能を知らない従業員が多かったという。「半数くらいの従業員が知らなかった」。