日経BP社が実施した「エンジニア転職意識調査」の結果を分析すると、IT/電子・機械/建築・土木の職種によって、転職時に重視するものが異なることが分かる。IT系エンジニアは、他の職種よりも「社内でのエンジニアの地位」を気にしている人が多い。
「転職する場合に重視するもの」として優先度が高い項目5つを尋ねた設問で、「社内でのエンジニアの地位」を挙げたITエンジニアは25.3%と、4人に1人に上る。これは電子・機械系と比べて10ポイント、建築・土木系と比べると17ポイント程度高い(図1)。
IT分野のエンジニアは、社内での地位の低さに悩んでいる人が多いことの裏返しだろう。逆に、この項目を選んだ人が7.8%と1割を切る建築・土木系は、社内でも恵まれた立場にいるといえそうだ。同じエンジニアでも、職種によって社内での権限や発言力に違いがあることがうかがえる。
このほかIT系では、「在宅勤務制度の有無」が6.4%、「社外活動(学会やコミュニティ、イベントへの参加)への理解」が4.7%と、他の職種を3~5ポイント程度上回った。PCやネットワークなどの環境さえ整っていれば遠隔地でも仕事がしやすい、クラウド分野など技術者コミュニティの活動が盛ん、といった背景があると考えられる。「IT予算(IT化に積極的かどうか)」(5.6%)も、どの職種よりも多かった。