同じエンジニアでも、職種によって転職時に重視するものは異なる。日経BP社が実施した「エンジニア転職意識調査」の回答を、IT/電子・機械/建築・土木の職種別に分析した結果、それが明らかになった。
「転職する場合に重視するもの」として優先度が高い項目5つを尋ねた設問で、職種別に最も大きな差がついたのが「保有資格を生かせる」だ(図1)。これを選択した人が多かったのが、建築・土木系エンジニア。22.2%と、5人に1人が重視すると答えた。IT系の3.7%、電子・機械系の1.6%を20ポイント近く上回る。建築・土木系の分野でエンジニアとして活躍するために、資格が大きな要素であることが分かる。
「前職の経験を生かせる」を選んだ人の割合も、28.9%と他の職種よりも多い。飛び抜けて多いわけではないが、IT系や電子・機械系より2~8ポイントほど高かった。資格同様、これまでの経験や蓄積したスキルが転職時に物を言うということだろう。
このほか建築・土木系エンジニアに目立ったのは、「労働時間」を重視すると回答した人が多かったこと。他の職種を10ポイント以上上回った。ITが39.12%、電子・機械が32%なのに対して、建築・土木は52.2%。2人に1人の割合だ。2020年の東京オリンピック・パラリンピックなどに向けた建設需要が増す中で、建築・土木系エンジニアの多忙さが増していることの表れだろうか。