エンジニアが転職時に重視するポイントは、年代によって異なる。日経BP社の技術系媒体が実施した「エンジニア転職意識調査」の結果を基に、年代別の傾向を見ていこう。

 まず取り上げるのが20代。20代に特徴的な項目の一つが、「社風・社内の雰囲気」である。これを重視すると回答した人が、20代では2人に1人(50%)に上った(図1)。他の年代を大きく上回る。

図1●「社風・社内の雰囲気」を重視する人の割合
図1●「社風・社内の雰囲気」を重視する人の割合
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 20代でも重視する項目の1位は「給与」(84.7%)、2位は「やりがい」(51.4%)と全体と同じ傾向だが、「社風・社内の雰囲気」はこれらに次ぐ3位にランクインしている。20代の若手は、社風がなじみやすいか、雰囲気が良好かが転職先選びのポイントになるようだ。

 「社風・社内の雰囲気」に次いで多かったのが、「休日・休暇」や「労働時間」。これらを重視する割合も、20代が最も高い(図2)。仕事と同様にプライベートも大切にしながら、ワークライフバランスを保って働きたいとの若手の思いが見て取れる。逆に「休日・休暇」「労働時間」を重視する割合は、年代が上がるにつれて減少するのが興味深い。

図2●「休日・休暇」「労働時間」を重視する人の割合
図2●「休日・休暇」「労働時間」を重視する人の割合
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 20代の場合、「やりがい」を重視する人の割合が他の年代と比べて少ないのも特徴的だ(図3)。エンジニアとして仕事を始めてから日が浅く、まだ仕事に強いやりがいを感じるまでに至っていないのかもしれない。

図3●「やりがい」を重視する人の割合
図3●「やりがい」を重視する人の割合
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調査概要
アンケート調査をWeb上で実施。日経BP社のIT系、電子・機械系、建築・土木系のWebメディアを中心に告知した。調査実施期間は2017年7月3日~7月12日。回答者数は672人で、職種の内訳はIT系407人、電子・機械系122人、建築・土木系90人、その他53人。回答者の年齢は、20代以下72人、30代227人、40代214人、50代135人、60代以上24人。