エンジニアは、転職の際に何を重視するのか。日経BP社の技術系媒体が実施した「エンジニア転職意識調査」の結果から、エンジニアならではの“重視ポイント”が見えてきた。

 図1は、「転職する場合に重視する点」を尋ねた結果だ。選択肢の中から、優先度の高いもの5つを選んでもらった。

図1●転職する場合に重視する点(優先度の高いもの5つ)
図1●転職する場合に重視する点(優先度の高いもの5つ)
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 ダントツの1位は「給与」で83.9%。2位には「やりがい」(63.8%)が続く。3~4位には、「休日・休暇」「労働時間」と、ワークライフバランスにかかわる要素が並んだ。

 これらに続くのが、「社風・社内の雰囲気」。「福利厚生」「業績・株価」などの定番的な項目に、20ポイント以上の差を付けた。待遇面や会社の安定性などよりも、良好なムードや円滑な人間関係を重視していることが分かる。

 「社内でのエンジニアの地位」が8位と上位にランクインしたことにも注目したい。21.3%と、5人に1人が重視している。

 エンジニア不足が盛んに叫ばれていても、エンジニアの社内での立場は必ずしも恵まれたものでないということだろう。「CIOとして転職したものの、エンジニアの地位が低く役員会にも出席できず、いろいろな案件がミスコミュニケーションされてしまう。面接時にはわかりづらいが、エンジニアの社内的な立場を知っておくのは、キャリアアップを目的にするなら重要なことと思う」(IT:コンサルタント、50代)との自由意見が象徴的だ。

 「その他」で寄せられた意見では、「勤務地」を挙げる人が多かった。現状と住まいを変えずに転職したい、Uターンなど希望の転居先で職を見つけたいなど、様々な事情が考えられる。