技術系人材の流動化が進む中で、当のエンジニアは転職をどう捉えているのか。転職に何を期待し、何に不安を感じているのか――。

 これを探るため、日経BP社は「エンジニア転職意識調査」を実施した。IT系、電子・機械系、建築・土木系の媒体が共同でWebアンケートを実施し、各分野のエンジニア672人から回答を得た。内訳は、IT系が407人、電子・機械系が122人、建築・土木系が90人、その他が53人である。この調査結果から浮かび上がった、今どきのエンジニアの“転職観”を紹介する。

半数は3年以内の転職を意識

 まず、エンジニアの転職意向から見ていこう。図1は、「現在転職したいと考えているか」という質問に対する回答だ。「1年以内に転職したいし、容易にできると思っている」(11%)、「1年以内に転職したいが、容易ではないと思っている」(25.3%)を合計すると、36.3%。3人に1人以上が近いうちに転職したいとの思いを抱えていることが分かる。

図1●エンジニアの転職意向
図1●エンジニアの転職意向
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 期間を3年以内に伸ばすと、転職の意向を持っている人は65.4%に達する。エンジニアの半数以上は、転職をかなり具体的に意識しているといえる。逆に「転職したくない」と答えた人は9.5%と1割未満にとどまった。

 では、本当に転職できるのか。できるものなら転職したいが、現実には難しいと悲観的な胸のうちもうかがえる。時期を問わず「転職したいが、容易ではないと思っている」人の合計は、45.5%。「転職したいし、容易にできると思っている」人の合計(19.9%)の約2倍に達した。