現場改革、業務改革、働き方改革、イノベーション―。時代と共に利用するITは変化してきたが、本誌が創刊以来、25年間追いかけてきたトピックは、企業の目的は生産性や利益の向上、人材育成、新規開発といった経営に関わる「普遍的なテーマ」ばかりだ。正解などない永遠の課題であり、だからこそ改革に終わりはない。今はやりのAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、ロボットも、改革やイノベーションを助ける道具だ。時代に合った最適なITや手法を選び、改革や改善を持続する事例を25年分のキーワードを軸に振り返り、IT経営の「過去、現在、未来」をひも解く。
日経情報ストラテジー 2017年8月号特集 【永久保存版】改革に終わりなし IT経営不滅のキーワード
目次
-
25年の変革を振り返る
ERP、SCM、CRMの外来語が定着 スマホとAIが企業活動を変える
1992年創刊の本誌の根底に流れ続けたキーワードはBPRだ。ビジネスプロセスを変革し、経営やものづくり、顧客との接し方、社員の働き方などを変えるヒントを紹介する。本誌の存在意義でもある。
-
見える化
異常や現状が分かれば改善できる IoTは行動変化の第2ステージ
本誌が最初に見える化を紹介したのは2004年。今では見える化は、一般用語として使われている。見える化はもともと、トヨタグループの工場で使われていた社内用語で、異常を見つけるための手段の一つだった。本誌は業種を問わず、経営全般に当てはめて効用を説いた。そして今、見える化はIoT(モノのインターネット…
-
SCM/BCP
アスクル火災、岩田社長が立て直し ロハコ専用センターで9月完全復活へ
本誌最多登場ともいえるアスクル。2017年2月、BtoC事業「LOHACO(ロハコ)」の主力物流センターで大規模な火災が発生し、SCM(サプライチェーン管理)が機能不全に陥った。岩田彰一郎代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)はSCMの立て直しとBCP(事業継続計画)に奔走した。火災から約4カ月…
-
CDO(最高デジタル責任者)
新しいモノを取り入れる進取の気質は必須 現場の課題にリンクさせて成果を獲得
AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)をはじめとする新しいITを積極活用しようとする企業が、相次ぎ新設する役職がCDO(最高デジタル責任者)だ。ヒト・モノ・コトに関するデータを、業務革新や新ビジネスの創出に生かすデジタル戦略の責任者である。他社に先行してデジタル戦略を立案し、遂行してきた…
-
データサイエンティスト
日本企業の強みは「新KKD」 現場を巻き込めれば敵なし
本誌が2012年からいち早く紹介してきた、データ分析の専門家を指すデータサイエンティストという職種。今ではすっかり言葉が定着した。“日本代表”は誰かといえば、大阪ガスの「ビジネスアナリシスセンター」で所長を務める河本薫氏だろう。河本氏は日本企業の強みは、現場での「勘と経験とデータ分析」という新しい…
-
ビジネスVR/AR
遠方の先進医療施設を手軽に見学 完成イメージ共有や現場支援と用途が拡大
実写や3次元CGなどの映像を、360度の視野で、まるで現実であるかのように体感させるVR(仮想現実)。2016年、専用の高性能ヘッドマウントディスプレー(HMD)が相次ぎ登場し、「VR元年」と世間で騒がれた。コンピュータ上でデータと現実世界とを重ね合わせるAR(拡張現実)とともに、ビジネス適用の広…
-
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)
社内の処理ミス減らし効率化 営業上の武器として活用する企業も
全企業必須の取り組みになりつつある働き方改革。オフィスワークの生産性向上策として、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入に動く企業が続々と登場している。定型的なパソコン作業をソフトウエアロボットに覚え込ませて代行させるこの技術を現場に適用し、成果獲得に動く先進2社を追った。
-
ドローン
「空の産業革命」の旗手 驚異的なデータ収集能力も魅力
無線技術を使って操縦する小型無人機「ドローン」が、物流や建設、農業、保険、警備、災害支援といった分野で広がる。人手を自動化し、生産性を飛躍的に高めるツールに化ける可能性を秘めた存在だ。空間という、身近でありながらこれまでほとんど活用されてこなかったスペースを舞台に、ドローンによる「空の産業革命」の…
-
オープンイノベーション
他社とコラボできる場を整備 SNSも活用してスピード協業実現
本誌の編集テーマは「革新」という言葉を含む。この革新を、社内の研究開発にとどまらず、外部の企業や大学と組み、新しいデジタル化製品やサービスを生み出すオープンイノベーションで進める動きが加速している。ポイントは、特徴ある技術などを持つ企業といかに早く手を組み、成果を出していくかだ。先行して取り組む2…
-
AI
ディープラーニングで写真を自動分類 挑戦続ける、グルメ情報サービスRetty
AI(人工知能)への関心が高まる。ブームを引っ張るのはディープラーニング(深層学習)と呼ばれる手法だ。実名型口コミのグルメ情報サービスを手掛けるRetty(レッティ、東京・品川)は、写真画像分類などでディープラーニングを活用するAI先進企業。同社の取り組みを樽石将人CTO(最高技術責任者)に語って…
-
風土改革
助け合いなしに働き方は変わらない 自分のミッションや役割を見つめ直せ
10年以上にわたって本誌に連載を続けてきたスコラ・コンサルトの柴田昌治氏。テーマは一貫して、企業の風土改革だ。現在進行形のプロジェクトを、直面するトラブルなども交えて実例で紹介するなど、意欲的な記事が毎号並んだ。何百社もの企業を見てきた柴田氏は、現在の働き方改革の成功にこそ、風土改革が欠かせないと…
-
なぜなぜ分析
時代に合わなくなった作業標準 ルールを「変える」ことに目を向けよ
「なぜ?」を繰り返しながら、問題の原因を追究し、再発防止策を導くなぜなぜ分析に企業の関心が高まる。ヒューマンエラーはなくならず、同じミスが続くケースは後を絶たない。マネジメント・ダイナミクスの小倉仁志社長が講師を務めるセミナーは受講者が3000人を超え、大人気となっている。小倉氏に昨今の実情を聞い…
-
グダグダ会議撲滅
誰も「やり方」を教えてくれない 生涯で3万時間を有意義に過ごせるか
「グダグダ会議をなくせ」「抵抗勢力との向き合い方」など、多くの連載がいずれも好評で人気を博したケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズの榊巻亮ディレクター。なかでも会議の変革は、社会人なら誰もが望む日常的なテーマだけに関心が高い。生涯で累計3万時間に上るといわれる会議を各自がどう過ごすかで、企業の…
-
データリテラシー
データ分析は「答え探し」ではない 唯一の正解を追い求めるのは勘違い
「マネジャーのためのデータリテラシー講座」や「あまのじゃくなロジカルシンキング」など、幅広いテーマで連載を続けてきたデータ&ストーリーの柏木吉基氏。日産自動車出身ということもあり、「実務家」にとってのデータ分析や論理思考という視点にこだわる姿勢を貫く。柏木氏は「データ分析は『答え探し』にあらず」と…
日経クロステック Special
What's New
経営
- 「クラウド時代のあるべき運用」を熱く議論
- 大企業にもキントーンの導入が進む理由
- 製造業DX「データドリブン経営成功のシナリオとは」
- NTTドコモ支援の実践型教育プログラム
- ジェイテクトエレクトロニクスのDX事例
- DXを成功に導くITインフラとは?
- NTTデータに優秀なデジタル人財が集まる理由
- オリックス銀行×富士通時田社長 特別鼎談
- ERPプロジェクト≫IT人財の必須条件は
- 脱レガシー案件≫SIerに必要な人財像は
- イノベーションの起爆剤
- 3段階で考える、DXで企業力を高める方法
- 大規模プロジェクトでPMが注意すべき点は
- 大阪・名古屋エリアのDXが注目される理由
- 力点は「未来予測」へ:データ利活用の勘所
- 生成AI活用でSAP BTPの価値が進化
- ServiceNowでDXを加速≫方法は
- SAPプロジェクトの全体像をいかに描くか
- データドリブン基盤でCFP算出作業を短縮