「このままでは人口減で事業を継続できない。業務をITに置き換えるしかない」。こう話すのは野村総合研究所(NRI)の桑津浩太郎未来創発センター長研究理事だ。2017年7月5日に「IT Japan 2017」(日経BP社主催)で講演した。

野村総合研究所(NRI)の桑津浩太郎未来創発センター長研究理事
野村総合研究所(NRI)の桑津浩太郎未来創発センター長研究理事
(撮影:井上 裕康、以下同じ)
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 桑津氏はファストフードなどが24時間営業をやめたことや話題に上がっている宅配事業者の人手不足を挙げ、「労働人口不足で供給力が足りなくなった歴史的事例だ」と話した。

 ほかにもコンビニや鉄道、コンタクトセンターなどで人手不足が深刻化しており、サービスの供給ができなくなる可能性を指摘した。こうした人手不足は「移民では解決できない」と桑津氏は断言した。

 例えば中国から移民を受け入れても減少する労働力を補えないと桑津氏は指摘する。中国は2020年ごろから人口減少に転じる予想で「経済の成長性を強みに中国が日本から優秀な人材を引き抜く」といった事態も想定されるという。

 桑津氏はIoT(インターネット・オブ・シングズ)、人工知能(AI)、ロボットを「デジタル・エコノミー3種の神器」と呼び、これらを使ってビジネスモデルを変革しなければ現状の事業継続ができないと主張した。

 合わせて新しいビジネスモデルで成功するためのパターンを、事例を交えて三つ紹介した。