「いかにデジタルシフトしていくかを考える経営者が増えている」――。2017年7月5日、都内で開催された「IT Japan 2017」(日経BP社主催)に日本ユニシスの齊藤昇常務執行役員 CMOが登壇。デジタルに敏感になり、パートナー企業やスタートアップ企業と協業してビジネスを拡大する重要性について講演した。

日本ユニシスの齊藤昇常務執行役員 CMO
日本ユニシスの齊藤昇常務執行役員 CMO
(撮影:井上 裕康、以下同じ)
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 齊藤CMOは、米Amazon.comによる英Whole Foods Marketの買収や、米Uber Technologiesから始まったシェアリングエコノミーでの破壊的イノベーションの例を取りあげた。変革の時を迎えているとし、「既存のビジネスを壊したり、組み合わせたりする取り組みが、急増する」と述べた。

 「日本ユニシスは、各企業の持つアセットをソフトウエア・ハードウエアなどの枠にこだわらずに、結びつけていく。一つひとつのサービスや技術が、どんどんつながって星座のようになっていくイメージだ」と齊藤CMOは述べる。ベンダー、スタートアップ企業、官公庁、学校などと、エコシステムを作るとする。

 具体的な例として、店舗内での自律移動型のサービスロボット「NAVii」の実証実験に言及した。NAViiは米Fellow Robotsが開発したロボットで、日本ユニシスがヤマダ電機の店舗で、2016年2月に実証実験を開始している。

 米Googleのセンサーによる自動走行と、日本ユニシスの人工知能(AI)を組み合わせることにより、消費者と対話して商品の案内をしたり、陳列棚の在庫をチェックをしたりする。小売業の人手不足の課題を解決することを目指すという。また、NAViiは仙台パルコにおいても実証実験を2016年7月に実施している。