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5Gしかできないこと

5Gへの提言、私ならこう使う

榊原 康、玄 忠雄=日経コミュニケーション 2017/07/12 日経コミュニケーション
出典:日経コミュニケーション2017年7月号pp.27-28
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧

識者に聞く

遅延1ミリ秒なら自動運転に使える、車載無線機の代替を狙え

インターネットITS協議会 時津 直樹 事務局長

 自動車で5Gが狙うべき需要は、自動運転車に搭載される様々な無線システムを携帯回線で代替する使い方だ。

 車載の無線システムは通信に限っても760MHz帯や5.8GHz帯などがあり、無線レーダーも使われている。車体に様々な無線機を埋め込んでいる状態だ。

 それでも自動運転技術が実用化されればより詳細な道路交通情報などで必要なデータ量が増え、大容量の携帯回線も使われると見ている。そこで路車間/車車間通信も携帯回線に代替して様々な通信機能を集約できるなら、設計がシンプルになりコスト削減にもつながる。

 そこで焦点になるのが通信による遅延。時速100キロメートルで走行する自動車は1ミリ秒の間に2.77センチメートル進む。4G導入の時にも議論があったが、20ミリ秒の遅延だと通信する間に数十センチも車が走行してズレが大きすぎる。しかし数センチの走行にあたる1ミリ秒の遅延なら自動運転に使えそうだ。

 自動車メーカーは通信できなくても自律的に走行できる自動運転技術へのこだわりが強い。通信を介した制御は補助的な使い方になるかもしれないが、遅延や安定性が高まれば活用は検討される。

 当協議会は、2001年からインターネットを使った「コネクテッドカー」の実証実験や事業支援に取り組んできた。今後は車内のIoT化がテーマとなり、その観点でも携帯電話網の活用される可能性はある。現在はCAN(Controller Area Network)内で車載デバイスが独自プロトコルで通信し制御している。これを車載デバイスそれぞれにIPアドレスを振ってIPで制御する技術方式が検討されている。こうしたIP仕様のコネクテッドカーは携帯回線との親和性も高い。(談)

医療情報を個人管理する時代が来る、5Gがその基盤に

東京慈恵会医科大学 先端医療情報技術研究講座 脳神経外科学講座 高尾 洋之 准教授

(写真:新関 雅士)

 遠隔医療や医療での高精細映像の活用で、5Gが必要なのか。必要な場面もあれば現状で十分といえる場合も多い、というのが率直なところだ。

 そもそも、8K映像を医療に使ったり、手術用ロボットの遠隔制御が実用化されたりしたとして、医師がいる病院や診療所側では光ファイバー回線を使うだろう。患者側では5Gが使われる場合もあるが、8K映像で患者を診察すれば診断の精度が上がるかは微妙だ。制度面でも遠隔診療は解決すべき課題がいくつかある。

 院内での活用に関しては、当医大では医療向けSNSを用いて全手術室の映像を常時配信している。高精細映像も使っているが、スマホ向けでは視聴しやすいよう解像度を落として配信している。

 5Gの用途として着目しているのが、自らの疾患や診察データを個人が自己管理する「パーソナルヘルスレコード(PHR)」だ。政府は、個人情報を自己管理して商業利用を自らの意思でコントロールするための「情報銀行」を推進している。PHRはその医療版だ。

 私が提唱するPHRの仕組みは、クラウドとスマホなど個人の端末を併用する方法だ。病歴やカルテ、診察データはレントゲン写真など画像・映像も含めまず個人の端末に渡す。この情報は、本人の同意に基づいて医療向けの情報銀行、つまりクラウドにアップロードもできる。医療機関が診察時にこれらのデータを参照する時は、本人の同意を得て、クラウドか個人の端末にアクセスする。医療データを個人のスマホに保持したい人とクラウドで管理したい人が混在し、大量の医療データが個人のスマホとクラウド間で送受信されることになる。まさに5Gに適したアプリケーションだ。(談)

IoTは電力効率が最重要、ボタン電池で動く通信モジュールを

さくらインターネット 技術本部 江草 陽太 執行役員副本部長

 当社はMVNO(仮想移動体通信事業者)として、SIMと通信モジュール、データセンターでのデータ処理を組み合わせたIoT向けサービスを提供している。IoTの観点でモバイル回線に求めるのは低消費電力、ほどほどの通信速度、通信モジュールの低価格化の3点だ。電力と通信速度は2つを合わせて電力効率、つまり送信データ容量当たりの消費電力の低さが重要になる、と言い換えてもよい。

 その観点でいま最も注目するのはIoT向けのLTE規格「NB-IoT」や「Cat.M1」だ。特にNB-IoTは通信間隔を最大2.9時間に設定して回路をスリープできるなど、極めて省電力性を高められる。

 現在はLTEのCat.1などを使っているが、LTEはIoTの観点でも3Gより圧倒的に有利だ。高速化が電力効率の向上に大きく寄与し、モジュールの長時間駆動が可能になったからだ。ただし近距離で使う他のIoT向け通信規格と比べると、基地局との通信は電力面では不利で、IoT機器はリチウム電池の駆動などが多い。IoTでは携帯電話網を使ってもボタン電池で動く通信モジュールが理想だ。

 5GでもIoT向け規格ができるなら電力効率がカギになる。街に基地局を密に置局するのは通信距離が短くなる点で有利に思える。一方で準ミリ波帯を使うことが電力効率にどう影響するのかもあり、通信関係者による技術検証を待ちたい。

 クラウドを推進する立場からは、高精細映像などストリーム型の大量データをサーバーに集約する手段としても5Gに期待している。エッジで処理する手法にも関心を払っているが、回線の制約がなくなれば、高精細映像をサーバーでAI学習させるなどクラウドの用途が拡大すると見ている。(談)

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