日経FinTechが、2017年6月23日に都内で開催した「Nikkei FinTech Conference 2017#2」。パネルディスカッションの一つ「3メガバンクが明かす、金融エコシステムの将来像」では、メガバンク各行がそれぞれFinTechに対する現在取り組みと今後の方向性について議論した。

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG) デジタル企画部長 相原 寛史氏、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG) ITイノベーション推進部長 中山 知章氏、みずほフィナンシャルグループ(FG) デジタルイノベーション部部長 阿部 展久氏が登壇した。

写真●パネルディスカッション「3メガバンクが明かす、金融エコシステムの将来像」では、メガバンク各行がそれぞれFinTechに対する現在取り組みと今後の方向性について議論した
写真●パネルディスカッション「3メガバンクが明かす、金融エコシステムの将来像」では、メガバンク各行がそれぞれFinTechに対する現在取り組みと今後の方向性について議論した
(写真:新関 雅士、以下同)
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 パネルディスカッションの冒頭、モデレーターの日経FinTech 記者の岡部一詩は、「2016年後半から各行のFinTechへの取り組みが検証から『実践フェーズ』に入ったと感じている」と現状認識を説明。それを踏まえて、各行に対しそれぞれの取り組みについて説明を求めた。

FinTechへの取り組みを加速させるメガバンク

 まず、MUFGの相原氏は「全社でデジタルトランスフォーメーションを進めている」と状況を説明。「デジタル企画部を設置し、新たな役職としてデジタルトランスフォーメーションを推進する『Chief Digital Transformation Officer(CDTO)』を設置した」と、取り組みを本格化させているとした。

 続くSMFGの中山氏は、国内とグローバルでオープンイノベーションを推進する体制が変化していると説明した。2017年秋、東京・渋谷にオープンイノベーションラボを開設するほか、2017年4月にはシリコンバレーに点在していたグループの研究開発拠点を一カ所に集約。「総勢10名で、現地のスタートアップとの協業や新技術のキャッチアップなどに取り組んでいる」と体制を解説した。