誤操作によるファイルの消失は、ハードディスク自体が正常であれば無償のフリーソフトでも対処できる。一般にファイルを消去しても消すのは管理情報だけで、ファイルの実体は残るからだ。ただ理解せずに使うと、本来なら復元できたいたはずのデータを失いかねない。

レスキュー用のドライブで起動

 ファイルを誤消去したOS上で復旧ソフトをダウンロードすると、残っているはずのファイルの実体を上書きしてしまう恐れがある。安全に復旧するには、別のドライブに用意した作業用の環境が必要だ。

 ここでは復旧ツールをあらかじめ組み込んだLinux OSの「GParted Live」を、DVD-RやUSBメモリーから起動して作業する。GParted Liveは、誤消去したファイルを復元できるフリーソフト「PhotoRec」をインストール済みだ。復元したデータを保存するハードディスクやUSBメモリーは別途用意しておこう。

DVDやUSBメモリーから起動するレスキュー用Linuxディストリビューション「GParted Live」のデスクトップ画面。
DVDやUSBメモリーから起動するレスキュー用Linuxディストリビューション「GParted Live」のデスクトップ画面。
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 GParted Liveをインストールするには、「Download」リンクからISOイメージファイルをダウンロードする。2017年6月28日時点の最新版は32ビット版が「gparted-live-0.28.1-1-i686.iso」、64ビット版が「gparted-live-0.28.1-1-amd64.iso」だ。

GParted Liveのダウンロードページ。
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 自分のPCに合った方を選び、DVD/CD-Rライティングソフトやイメージライターで起動メディアを作成する。例えばWindowsでUSBメモリーを起動メディアにする場合は、「Win32 Disk Imager」などのフリーソフトを使ってUSBメモリーに書き込む。