「ハードディスクの故障は自己責任」という風潮に、PC周辺機器最大手のバッファローが切り込んだ。同社は2017年6月2日に、ストレージのデータ復旧事業に参入。同社製で保証期間内の機器であれば、軽度な障害を無償で修理するサービスを始めた。

 データの一部が欠損したのか、ハードディスク自体が破損しているのか。そうした診断・見積もり作業までは無料というのがデータ復旧サービスの一般的な相場だ。

 バッファローは診断・見積もりに加えて、保証期間内であれば「軽度な論理障害」まで無償サービスの対象に加えている点が珍しい。対象製品はバッファローが国内で販売するストレージ製品。同社の光学ドライブで書き込んだ光メディアも対象とする。

「バッファロー正規データ復旧サービス」の保証期間内の料金
バッファロー製の製品が対象。「軽度」の「論理障害」の料金は、保証期間内であれば無料になる。
対象製品障害レベル税別価格(保証期間外の料金)
論理障害物理障害
外付け・内蔵ハードディスク/NAS(1ドライブ)軽度無料(3万円)6万円
中度4万5000円12万円
重度個別見積もり個別見積もり
外付け・内蔵ハードディスク/NAS(2ドライブ)軽度無料(8万円)12万円
中度12万円20万円
重度個別見積もり個別見積もり
外付け・内蔵ハードディスク/NAS(4ドライブ)軽度無料(15万円)20万円
中度20万円30万円
重度個別見積もり個別見積もり
SSD軽度無料(3万円)12万円
中度4万5000円個別見積もり
重度個別見積もり個別見積もり
USBメモリー、SDカード軽度無料(3万円)6万円
中度4万5000円個別見積もり
重度個別見積もり個別見積もり
光メディア軽度無料(3万円)個別見積もり
中度4万5000円個別見積もり
重度個別見積もり個別見積もり

 無償復旧の対象となる「軽度な論理障害」とは、具体的にはファイルシステム上の障害が該当する。例えばOSの管理情報が破損すると、ファイルとして認識できなくなる。バックアップ作業を怠っていれば、一般的なユーザーなら回復は困難だ。「中度」の論理障害は誤操作によるフォーマット(初期化)や削除で、保証期間内であっても有償になる。「重度」な論理障害は複合的な要因によるものだ。

 上記の障害レベルの判定は、いずれも専門家の診断後に確定する。例えば「OSが起動しなくなった」という現象がどの障害レベルに該当するのかはユーザーからは判断がつかない。まず物理障害と論理障害をバッファローの技術者が切り分け、中度以下の論理障害および軽度の物理障害であれば、バッファローの東京・名古屋・大阪の3拠点で復旧作業に当たる。復旧対象のドライブの内容を別の正常なドライブに複製した後に、復元ツールを使ってデータを救出する。