ワイモバイルはソフトバンク(株式会社)が営む携帯電話サービスのブランドの一つ。「ソフトバンク」(携帯電話サービスのブランド、本特集で前回解説)よりも安い料金でサービスを提供し、「サブブランド」と呼ばれることもある。

 ワイモバイルはMVNO(仮想移動体通信事業者)ではないが、「格安スマホ」と呼ばれることが多い。ワイモバイルの代表者である寺尾洋幸氏(Y!mobile事業推進本部 執行役員本部長)は、今年の1月に、民間調査会社のデータに基づき「格安スマホにおけるシェアが約40%」であることを明かしている。また、今年の春商戦の契約数が「純増数が2倍以上だった昨年をはるかに超えた」とも話している。現在最も勢いがあるキャリアと言っていいだろう。

 人気の要因はどこにあるのか? 大手キャリアだけでなく、MVNOよりも安いのか? 今回は、ワイモバイルの料金プランで陥りやすい勘違いについて解説する。

ワイモバイルの料金プランは2年目から高くなる

 ワイモバイルは、1カ月に使える高速データ容量が異なる3つのプランを用意している。どのプランでも10分以内の国内通話は無料となる。

ワイモバイルの料金プランの概要
ワイモバイルの料金プランの概要
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 注意しなければならないのは、契約後の1年目と2年目で料金が変わることだ。2年契約の「スマホプラン」を契約した場合、利用開始から25カ月間は「スマホプラン割引」として毎月1000円が割引される。なお、26カ月目以降も「長期利用割引」というサービスに切り替わり、1000円の割引が継続されるので、ずっと1000円割引されると考えてよい。

 さらに、加入翌月から12カ月間は基本使用料が1000円割引される「ワンキュッパ割」も実施されている。これは終了時期未定のキャンペーンとして行われているものだが、競合のUQモバイルも同額の割引を設けており、キャンペーンが終了する可能性はきわめて低い。ほぼ永続的な割引施策と捉えていいだろう。

 どのプランを選んだ場合も、1年目は本来の料金にスマホプラン割引とワンキュッパ割が適用され2000引きとなり、2年目からはスマホプラン割引だけの1000円引きとなることを覚えておこう。つまり2年目からは毎月1000円高くなる。「月額1980円で、しかも通話定額付き」と聞くと、MVNOよりも安く思えるかもしれないが、2年目になると逆転するケースが多い。また、データ容量の選択肢が3つしかないので、ぴったり使いきるプランを選びにくい場合がある。